院長・スタッフブログ

歯周再生療法

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遅ればせながら、当院でも歯周組織再生療法薬剤のリグロス®を導入いたしました。
今までは歯周組織再生治療ではエムドゲイン®ゲルをメインで使用しておりましたが、患者さまの選択肢を広げようと今回新たに導入を決めました。
エムドゲイン®と異なり動物性タンパクでないということも、一つ意味を持つのかなと思います。

リグロス

いずれにせよ、手術をすることに変わりはありません。
また、手術以前、以降の「自分でしっかりと口腔内をきれいに保つ」という意識がなければどんな処置にも意味はありません。

よく「歯周病の特効薬はないか?」「薬を塗ったり、骨を入れると治ると聞いた事がある」などと言われる事があります。
答えは、特効薬はありませんし、薬を塗って簡単に治る方法もありません。ましてや飲み薬で治る事もありません。
こう言うと皆さんがっかりされて、半分疑うような表情をされます。気持ちはとても分かります。
私もそんな薬があれば飛びついて、大変な処置や手術などやめてしまいたいです。

しかしインターネット(テレビもそうですが)に散見される、「簡単に歯周病が治って、骨も回復する!」というような薬はありません。
「こんな手術をすれば骨が再生する!」というようなことも全ての症例で起こることではありません。
例えば当院で使用しているエムドゲイン®とリグロス®も、全体的に骨が減っている状態(水平性骨吸収)では効果があまり期待できません。
どんな状態でも骨の回復が可能なら、口の中にモコモコ骨を増殖させることができるということになります。(ファッション的に骨をちょっと尖らせるとか、そんなことができたらちょっと面白いですが)
しかし、そんなことはちょっと考えれば無理なことがわかりますよね。
つまり、「どんな状態であっても骨を新生させて、かつ維持をする」ということはできないのです。

研究や臨床試験を重ねて、どういった条件下であれば骨の新生が起こり、ダメージを受けた歯周組織が治るのかということが分かっています。
ですから、まず自身の検査をしっかりと行って、その上でどういった治療の選択肢があるのかを導き出していくことが必要です。
だから、「この薬を飲めば治る!」「このうがい薬を使えば治る!」「レーザーで治療すれば治る!」こう言ったことを安易に信じてはダメです。(間違って欲しくないのは、良い薬はありますし、レーザーも使い方が合っていれば非常に有効です。)

「この薬を飲めば〜」などと謳っているものは、歯周病による炎症が一時的におさまると思っていただいていいと思います。
生活習慣が原因で血圧が高くなった時に、降圧剤を飲めば血圧は下がります。
しかし、根本の原因である「生活習慣」を正さなければ、降圧剤をやめた途端に血圧はまた上がります。それと似ています。

歯周病は重症化してしまうと、治療が非常に複雑になります。
問題なのは、重症化するまで自覚症状がないサイレントキラー的な要素を持っているということです。
日常的にしっかりとしたブラッシングは必要不可欠ですが、やはり歯科医院でのチェックも定期的に行いましょう。

まとまりのない話になってしまいました。すいません。
歯周病でお悩みの方には、じゃあどうすればいいんだと混乱させてしまったかもしれません。
まず、自分自身の現状の確認。自分に合った治療の選択肢の確認、選択。
自分の口腔内に対する意識改革、行動変容(ざっくり言えば自分に興味を持って、ブラッシングに時間をかけるということ。これが一番難しい)
並行して歯周病の基本的な治療。基本的な治療の後の成果の確認。
そして、ここから適応可能なら、いわゆる「良い薬を使う」ことや「アドバンスな手術」を行うというステップに入っていくのです。

繰り返しになりますが、全てのケースで万能な特効薬は歯周病(虫歯もそうですが)に関してはありません。
でも、私は科学は大好きですし、その力を信じています。
だから「今はまだ、虫歯や歯周病の万能薬はない」ということに結論付けておきましょう。

そうだ!
今回伝えたいことが、お座なりになっていました。
とにかく新しい薬剤であるリグロス®を使って再生療法を使うことにしました。
頑張って協力しあいながら歯周病をなくしましょう!

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↑なんだかディズニーに行きたくなったので、行ってきました。
何年かに一度ディズニー欲求が出ます。
ミッキー氏とミニー氏に会ってまいりました。寒かったー。

 

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